口ではいいことを言っても、正しいことがわかっていても、いざとなったら自分の損得でしか動けないのが僕ら人間です。神様を愛し隣人を愛することが正しいとはわかっています。そしてそれを主張します。
(27-28)
「『あなたは心を尽くし、いのちを尽くし、力を尽くし、知性を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい』、また『あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい』とあります。」イエスは言われた。「あなたの答えは正しい。それを実行しなさい。そうすれば、いのちを得ます。」
問題は、僕らはそれを実行することができないことです。イエス様は人間は自分の損得優先で判断してしまう弱いものであることを教えてくださいました。
(29-32)
しかし彼は、自分が正しいことを示そうとしてイエスに言った。「では、私の隣人とはだれですか。」
イエスは答えられた。「ある人が、エルサレムからエリコへ下って行ったが、強盗に襲われた。強盗たちはその人の着ている物をはぎ取り、殴りつけ、半殺しにしたまま立ち去った。たまたま祭司が一人、その道を下って来たが、彼を見ると反対側を通り過ぎて行った。同じようにレビ人も、その場所に来て彼を見ると、反対側を通り過ぎて行った。
いざとなると自分の立場や都合が優先です。自分は正しい、と主張していても、です。半殺しにされた人を「自分自身のように愛した人」は立派そうな祭司やレビ人ではありませんでした。唯一「かわいそう思った」人はサマリヤ人でした。サマリヤ人たちはイスラエル人たちが嫌い、見下していた地域の人です。この人は自分の時間もお金も都合も全部後回しにして半殺しにされていた人を愛しました。イエス様は「あなたも行って、同じようにしなさい。」とおっしゃいます。
(33-37)
ところが、旅をしていた一人のサマリア人は、その人のところに来ると、見てかわいそうに思った。
そして近寄って、傷にオリーブ油とぶどう酒を注いで包帯をし、自分の家畜に乗せて宿屋に連れて行って介抱した。
次の日、彼はデナリ二枚を取り出し、宿屋の主人に渡して言った。『介抱してあげてください。もっと費用がかかったら、私が帰りに払います。』この三人の中でだれが、強盗に襲われた人の隣人になったと思いますか。」
彼は言った。「その人にあわれみ深い行いをした人です。」するとイエスは言われた。「あなたも行って、同じようにしなさい。」
僕ら人間がいくら張り切って「神と人を愛する」と言っても、自分からは出ない愛です。愛は神様からいただくものです。
ある村のマルタという女性はイエス様と弟子たちを迎えてもてなし、仕え、愛しました。でも、できたのは最初だけです。やることが多すぎてイライラし、何も手伝ってくれない妹に怒りをぶつけるようになります。何も言わないイエス様にも腹が立ちます。
(38-40)
さて、一行が進んで行くうちに、イエスはある村に入られた。すると、マルタという女の人がイエスを家に迎え入れた。
彼女にはマリアという姉妹がいたが、主の足もとに座って、主のことばに聞き入っていた。
ところが、マルタはいろいろなもてなしのために心が落ち着かず、みもとに来て言った。「主よ。私の姉妹が私だけにもてなしをさせているのを、何ともお思いにならないのですか。私の手伝いをするように、おっしゃってください。」
最初はイエス様のため、と思っていたし、「私はできる」と思っていたかもしれません。でもすぐに「私の手伝いをするように、おっしゃってください。」とキレていました。「私の手伝い」です。結局は自分を愛していることに気付かされます。
一方マリヤは最初から良い方を選びました。それは「主の足もとに座って、主のことばに聞き入っていた。」ことです。愛はイエス様から出ます。僕らから出る愛でなく、イエス様から頂く愛は無限です。そのみことばに聞き入ることは、その愛をいただくことです。イエス様はおっしゃいました。
(41-42)
主は答えられた。「マルタ、マルタ、あなたはいろいろなことを思い煩って、心を乱しています。
4しかし、必要なことは一つだけです。マリアはその良いほうを選びました。それが彼女から取り上げられることはありません。」
僕らが神様を愛し、人を愛するのに必要なのは神様との交わりです。僕らからは出てこないのが愛です。そして、神様との交わりの中で無限に与えられるのも神様の愛です。主の足元に座って、主と対話し、全てを与えてくださるイエス様の愛の交わりを楽しんでいる人だけが、神様と人を愛することができます。「必要なことは一つだけです。」イエス様との交わりです。僕らは弱いものです。でも、イエス様との交わりは、無限の神様の愛との交わりです。イエス様と交わる人こそ隣人のために全てを捨てて愛する人に変えられて行きます。今日、僕らが無限の神様の愛の泉に浸ることができますように。「必要なことは一つだけです。」
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