1列王記10章

 神様はソロモン王に知恵を与え、「富と誉れもあなたに与える。」とも「王たちの中であなたに並ぶ者は一人もいない。」ともおっしゃいました。（3.13）神様が与えられたソロモンの知恵と富と誉れはケタ外れだったようです。遠くからそれを見に来たシェバの女王が「息が止まるばかり」だったと書かれています。

（4-9節）

シェバの女王は、ソロモンのすべての知恵と、彼が建てた宮殿と、その食卓の料理、列席の家来たち、給仕たちの態度とその服装、献酌官たち、そして彼が主の宮で献げた全焼のささげ物を見て、息も止まるばかりであった。

彼女は王に言った。「私が国であなたの事績とあなたの知恵について聞き及んでいたことは、本当でした。

私は自分で来て、自分の目で見るまでは、そのことを信じなかったのですが、なんと、私にはその半分も知らされていなかったのです。あなたの知恵と繁栄は、私が聞いていたうわさより、はるかにまさっています。（…中略…）

あなたの神、主がほめたたえられますように。主はあなたを喜び、イスラエルの王座にあなたを就かせられました。主はイスラエルをとこしえに愛しておられるので、あなたを王とし、公正と正義を行わせるのです。」

異教のシェバの女王はあまりのすごさに「あなたの神、主がほめたたえられますように。」と賛美しています。（9節）さらに、世界中の人々がソロモンに知恵を求めにやって来るようになりました。世界中の富がソロモンのところに集まるようになり、銀は価値がないとみなされるほどに豊かになります。

（21-27）

銀は、ソロモンの時代には価値あるものとは見なされていなかった。（…中略…）

ソロモン王は、富と知恵において、地上のどの王よりもまさっていた。

全世界は、神がソロモンの心に授けられた知恵を聞こうとして、彼に謁見を求めた。

彼らはそれぞれ贈り物として、銀の器、金の器、衣服、武器、バルサム油、馬、ろばなどを、毎年携えて来た。

ソロモンは戦車と騎兵を集め、戦車千四百台と騎兵一万二千人を所有した。彼はこれらを戦車の町々、およびエルサレムの王のもとに配置した。王はエルサレムで銀を石のように用い、杉の木をシェフェラのいちじく桑の木のように大量に用いた。

ソロモンは神様をほめたたえ、それ見た世界中の人たちもイスラエルの神様をたたえました。

その繁栄はケタ違いでした。ところが、人間が多くの知恵や繁栄を手にすることは、危険なことでもあります。最初は神様に感謝し賛美していても、何でも思い通りになり続けると人間は高ぶりやすくなるものです。聖書はソロモンにも僕らにも警告しています。

（申命記17:16-20）

王は、自分のために決して馬を多くふやしてはならない。（…中略…） 自分のために金銀を非常に多くふやしてはならない。彼がその王国の王座に着くようになったなら、レビ人の祭司たちの前のものから、自分のために、このみおしえを書き写して、自分の手もとに置き、一生の間、これを読まなければならない。それは、彼の神、主を恐れ、このみおしえのすべてのことばとこれらのおきてとを守り行なうことを学ぶためである。それは、王の心が自分の同胞の上に高ぶることがないため、また命令から、右にも左にもそれることがなく、彼とその子孫とがイスラエルのうちで、長くその王国を治めることができるためである。

ソロモンでさえ、徐々に高ぶり神様から心が離れて行きました。（11章）聖書をみことばを手元に置いて読むことは、王様として絶対に必要なことでした。聖書は僕ら人間を高ぶりから悪から守ります。

ソロモンの知恵と王国はすごかったのですが、やがて実現するイエス様の国はもっと素晴らしく完璧です。イエス様はおっしゃいました。

（マタイ12.42）

南の女王が、さばきのときに、今の時代の人々とともに立って、この人々を罪に定めます。なぜなら、彼女はソロモンの知恵を聞くために地の果てから来たからです。しかし、見なさい。ここにソロモンよりもまさった者がいるのです。

イエス様こそ「ソロモンにまさる方」です。そして、イエス様こそ「力と、富と、知恵と、勢いと、誉れと、栄光と、賛美を受けるにふさわしい方です。」(黙示録5:12)。やがてイエス様がエルサレムにて統治し、世界中の人がイエス様の知恵を求めて集まってくる日が来ると聖書は預言しています。

（イザヤ2.2-3）

終わりの日に、主の家の山は、山々の頂に堅く立ち、丘々よりもそびえ立ち、すべての国々がそこに流れて来る。多くの民が来て言う。

「さあ、主の山、ヤコブの神の家に上ろう。

主はご自分の道を、私たちに教えてくださる。

私たちはその小道を歩もう。」それは、シオンからみおしえが出、エルサレムから主のことばが出るからだ。

ソロモンの知恵と繁栄はケタ違いでした。「息が止まるばかり」の素晴らしさでした。それでも世の繁栄は消えて行きます。僕らにはもっとすごい、そして確かなイエス様の御国が与えられます。イエス様はもう一度地上に来られ、世界を統治なさいます。豊かな繁栄と平和と知恵が与えられます。

（ヘブル 12:26-28）

決して揺り動かされることのないものが残るために、すべての造られた、揺り動かされるものが取り除かれることを示しています。こういうわけで、私たちは揺り動かされない御国を受けているのですから、感謝しようではありませんか。

なくならないのはイエス様の知恵と栄光です。イエス様こそ御国の王として完璧に統治なさる方です。この御国に僕らも招かれています。この世の繁栄は消え去ります。でも、イエス様の栄光と力はなくなることがありません。感謝しましょう！