マタイ22.15-22

 イエス様を信じる人の国籍は天にある、と聖書は言います。（ピリピ3.20）そして天の王であるイエス様こそが全ての支配者です。この世界は神様の許可の中で国の法律や秩序が与えられています。

僕らはこの世の権威やルールに従うのが正しいのか、それとも神様に従ってこの世の権威やルールにNoということも大切なのか、と迷います。イエス様を嫌う人たちはこの意地悪な質問をイエス様にぶつけました。

（17節）

税金をカイザル（ローマ帝国）に納めることは、律法にかなっていることでしょうか。かなっていないことでしょうか。

これは悪意の質問です。どう答えてもイエス様の立場が悪くなるように仕向けています。

もし、神様にだけ従い、この世の権威は従わなくていいし、納税しなくていい、と答えればローマ帝国への反逆だと見なされ逮捕されます。

逆に、この世の王に従ってカイザルに納税すべき、と答えれば「この人は唯一の王である神様に反抗している」と見なされます。

この質問は、僕らも直面する身近な質問でもあります。

（18-22節）

イエスは彼らの悪意を知って言われた。「偽善者たち。なぜ、わたしをためすのか。納め金にするお金をわたしに見せなさい。」そこで彼らは、デナリを一枚イエスのもとに持って来た。そこで彼らに言われた。「これは、だれの肖像ですか。だれの銘ですか。」彼らは、「カイザルのです。」と言った。そこで、イエスは言われた。「それなら、カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい。」彼らは、これを聞いて驚嘆し、イエスを残して立ち去った。

一般的なユダヤ人たちはこの税金を嫌いました。お金はカイザルの金庫に入り、異教の偶像の神殿や貴族の堕落した生活に使われるからです。しかも、硬貨には「偉大な大祭司にして神」と書かれたカイザルの肖像が刻まれていました。人々はこのお金を嫌い、納税を嫌います。しかしイエス様は、そのお金はカイザルに返すようにと言われました。

確かに堕落した権威ですが、それでも、この世の制度に従い、忍耐して善をしなさい、とイエス様は言われます。

（1ペテロ 2:13-15節）

人の立てたすべての制度に、主のゆえに従いなさい。それが主権者である王であっても、また、悪を行なう者を罰し、善を行なう者をほめるように王から遣わされた総督であっても、そうしなさい。というのは、善を行なって、愚かな人々の無知の口を封じることは、神のみこころだからです。

（1ペテロ 2:17-18）

すべての人を敬いなさい。兄弟たちを愛し、神を恐れ、王を尊びなさい。しもべたちよ。尊敬の心を込めて主人に服従しなさい。善良で優しい主人に対してだけでなく、横暴な主人に対しても従いなさい。

イエス様はこの世界を造り支配している王であり全ての権威を持っている方です。（マタイ28.19）そのイエス様は全ての権威を捨てて人を愛し、人のしもべとなってくださいました。（ピリピ2.6-11）僕らがイエス様に習い、この世界の王に従い、納税するのは神様の願いです。

納税は当然の義務だし、返すべきものだと聖書は言います。

（ローマ 13:7-8）

あなたがたは、だれにでも義務を果たしなさい。みつぎを納めなければならない人にはみつぎを納め、税を納めなければならない人には税を納め、恐れなければならない人を恐れ、敬わなければならない人を敬いなさい。だれに対しても、何の借りもあってはいけません。

それでも、神様こそ王の王であり全ての支配者です。

イエス様は「神のものは神に返しなさい。」（22節）とおっしゃいます。

僕らは多くのものを神様に返すべきです。

例えば、善悪の知識は「神のもの」だと聖書は言います。が、僕ら人間は善悪の判断を「自分のもの」だと誤解しています。

また、栄光は「神のもの」だと聖書は言います。が、僕らは栄光を欲しがります。

全ての権威は「神のもの」だと聖書は言います。僕らは権威を欲しがります。

賛美は「神のもの」です。でも、僕らは賛美されることを欲します。

この世の王に納税したり、従ったりするのは神様の願いですが、でも、「力と、富と、知恵と、勢いと、誉れと、栄光と、賛美」は永遠に神様のものです。（黙示録5.12-13）僕らが心から全てをささげるのはこの神様だけです。

神様が「納税しなさい」とおっしゃるので、この神様に従うために僕らは納税します。

この世の権威は神様によって一定の範囲で与えられているものです。

（ローマ 13:1-2）

人はみな、上に立つ権威に従うべきです。神によらない権威はなく、存在している権威はすべて、神によって立てられたものです。したがって、権威に逆らっている人は、神の定めにそむいているのです。

僕らの体もお金も全部神様からの預かりものです。それをどう使うかは、神様の権威あるみことばに従うことが正解です。

全部神様にお返ししましょう。僕らの全部は神様のものです。「神のものは神に返しなさい。」です。ハレルヤ！