士師記に書かれた人たちの姿は「神様から離れた人々の姿」です。最後にはこのように書かれています。
25 そのころ、イスラエルには王がなく、めいめいが自分の目に正しいと見えることを行なっていた。
悪魔の言葉は「あなたがたの目が開け、あなたがたが神のようになり、善悪を知るようになる」というものです。(創世記3.5)神様から離れた人は「自分が正しい、自分は分かっている」と思うようになります。イスラエルの人々は「自分たちは正しい」と思っています。
一人の女性がレイプされ殺された事件がきっかけで、イスラエルは内戦状態になり、ベニヤミン族は女性も子どもも殺され、逃げた兵士600人だけが残りました。確かに、他の部族は罪を正しく裁こうと思って始めた戦いです。でも、戦争が終わってみると、仲間のベニヤミン族が滅んでしまったことを後悔しています。
2 そこで、民はベテルに来て、そこで夕方まで神の前にすわり、声をあげて激しく泣いた。
3 そして、彼らは言った。「イスラエルの神、主よ。なぜイスラエルにこのようなことが起こって、きょう、イスラエルから一つの部族が欠けるようになったのですか。」
6 イスラエル人は、その兄弟ベニヤミンのことで悔やんだ。それで言った。「きょう、イスラエルから、一つの部族が切り捨てられた。
イスラエルの人たちは、ベニヤミン族にわずかに残った600人の兵士に妻を与えて、絶滅させないようにと願います。でも、自分たちの考えや誓いが自分の首を絞めていきます。彼らは2つの誓いをしました。
①自分たちの娘をベニヤミン族には嫁にやらない、という誓い。
②ベニヤミン族への攻撃に参加しない人は殺す、という誓い。
6 イスラエル人は、その兄弟ベニヤミンのことで悔やんだ。それで言った。「きょう、イスラエルから、一つの部族が切り捨てられた。
7 あの残った者たちに妻をめとらせるにはどうすればよいだろうか。私たちは主にかけて、彼らに娘をとつがせないと誓ったのだ。」
①も②も両方とも、彼らが勝手に考えて誓ったもので、神様の願いではありません。それでも、彼らは絶滅しかかってるベニヤミン族をなんとか消さないように人間的な作戦を考えます。戦争に参加しなかった人は殺す、という誓いがあるという理由でさらに人々を虐殺し始めます。その時に若い女性だけを殺さないで、ベニヤミン族の嫁にしよう、という計画です。彼らのやってることはめちゃくちゃです。
8 ついで、彼らは言った。「イスラエルの部族のうちで、どこの者がミツパの主のところに上って来なかったのか。」見ると、ヤベシュ・ギルアデからは、ひとりも陣営に、その集まりに、出ていなかった。
9 民は点呼したが、ヤベシュ・ギルアデの住民はひとりもそこにいなかった。
10 会衆は、一万二千人の勇士をそこに送り、彼らに命じて言った。「行って、ヤベシュ・ギルアデの住民を、剣の刃で打て。女や子どもも。
11 あなたがたは、こうしなければならない。男はみな、そして男と寝たことのある女はみな、聖絶しなければならない。」
12 こうして、彼らはヤベシュ・ギルアデの住民のうちから、男と寝たことがなく、男を知らない若い処女四百人を見つけ出した。
繰り返しますが、この時のイスラエル人たちは「神」とか「主」ということを口にしますが、実際は自分たちの考えが全てです。聖書は人を殺してはならない、と教えています。が、戦争に参加しなかった町の住民への大虐殺を正当化します。
人間の中に正しい人はいない、と聖書は言います。イエス様は「誓ってはならない」とおっしゃいました。僕らには髪の毛を白くしたり黒くしたりする力さえもないからです。神様だけがすべての支配と権威を持っています。人間が勝手に決めたり誓ってはいけません。(マタイ5.34-36)
そもそも、1人の女性が暴行され殺されたことに憤り、この罪を除こう、ということで内戦になりました。ところが、今はベニヤミン族の嫁が欲しい、という理由で町中の男たちを殺すことを正当化し、若い女性400人を残します。彼らは400人の女性をベニヤミン族の男性たちに与えます。
13 それから、全会衆は、リモンの岩にいるベニヤミン族に使いをやり、彼らに和解を呼びかけたが、
14 そのとき、ベニヤミンは引き返して来たので、ヤベシュ・ギルアデの女のうちから生かしておいた女たちを彼らに与えた。しかし、彼らには足りなかった。
ベニヤミン族の男性は600人です。あと200人の女性が必要です。でも、自分たちはベニヤミン族に嫁をやらない、という誓いもあります。
16 そこで、会衆の長老たちは言った。「あの残った者たちに妻をめとらせるにはどうしたらよかろう。ベニヤミンのうちから女が根絶やしにされたのだ。」
17 ついで彼らは言った。「ベニヤミンののがれた者たちの跡継ぎがなければならない。イスラエルから一つの部族が消し去られてはならない。
18 しかし、私たちの娘を彼らにとつがせることはできない。イスラエル人は、『ベニヤミンに妻を与える者はのろわれる。』と言って誓っているからだ。」
イスラエルはいいことを思いつきました。ベニヤミン族に嫁を「与える」ことはできませんが、ニヤミン族が女性を「盗む」ことです。イスラエル人は与えたわけではなく、彼らが勝手に女性を誘拐するように提案しました。こうすれば自分たちも呪われないし、あなた方も結婚できるという提案です。
19 それで、彼らは言った。「そうだ。毎年、シロで主の祭りがある。」(…中略…)
20 それから、彼らはベニヤミン族に命じて言った。「行って、ぶどう畑で待ち伏せして、
21 見ていなさい。もしシロの娘たちが踊りに出て来たら、あなたがたはぶどう畑から出て、めいめい自分の妻をシロの娘たちのうちから捕え、ベニヤミンの地に行きなさい。(…中略…)
23 ベニヤミン族はそのようにした。彼らは女たちを自分たちの数にしたがって、連れて来た。踊っているところを、彼らが略奪した女たちである。それから彼らは戻って、自分たちの相続地に帰り、町々を再建して、そこに住んだ。
もともと、一人の女性が人間扱いされないことに怒りを燃 やした人々でした。でも、今多くの女性が人間扱いされず、誘拐されて強制的に嫁にされます。彼らのやっていることはめちゃくちゃです。矛盾だらけです。
25 そのころ、 イスラエルには王がなく、めいめいが自分の目に正しいと見えることを行なってい た。
「正しい人はいない」と聖書は言います。(ローマ3.5)人間が考える決心とか、人が考える真理とか誓いはあてになりません。イスラエル人たちは神様に愛され、神様に選ばれた人々です。が、徹底して祝福に値しない、汚れた民です。そんな彼らを神様は見放さず、見捨てず、導き続けてくださいます。
僕らも同じです。正しい人はいません。みんな自分が正しいと思っていますが実は矛盾に満ちています。そんな僕らを神様は見放さず見捨てず、愛し抜いてくださいます。
正しい人はいません。ただ、イエス様が身代わりに処刑を受けて、僕らのことをきよめてくださること以外には救いはありません。希望はイエス様の十字架以外にはありません。希望はイエス様だけです。どちらがいい人か、正しい人か、そんなことはどんぐりの背比べです。「自分の目に正しいと見えること」はあてになりません。
自分の歪みを認める人は幸いです。自分の罪を認める人は幸いです。自分の愚かさにがっかりしているなら幸いです。イエス様がそんな僕らをゆるし、きよめてくださいます。
(1テモテ 1:15)
「キリスト・イエスは、罪人を救うためにこの世に来られた。」ということばは、まことであり、そのまま受け入れるに値するものです。私はその罪人のかしらです。
(使徒 4:12)
この方以外には、だれによっても救いはありません。
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