士師記9.1-22
教会の指導者を選ぶとき、その人が名声とかキャリアのためでなく、ただ神様に喜ばれることを願い、神様の栄光のために自分は死んだと思う人を探す必要があります。(ルカ9.23-24)はしごを登るために指導者になる人はダメです。「上の立場」がほしい人も要注意です。教会のメンバーも、話がうまいとか、教育や能力があるとか、成功した人とか、自信がある人を求めてしまいます。イエス様が見ておられることと、人が見ることは違います。選ぶ教会のメンバーの責任も大きいです。「自分につごうの良いことを言ってもらうために、気ままな願いをもって、次々に教師たちを自分たちのために寄せ集め」たくなるのが現実です。(2テモテ4.3)
エルバアル(ギデオン)の息子の一人アビメレクは自分が王になって治めようと考え、母の親戚にアピールしました。親戚も、その町の住民たちも、「彼は私たちの身内の者だ」と考えて彼を支持し、アビメレクはギデオンの息子70人を皆殺しにして王になりました。アビメレクは権力と名声のためにライバルとなりそうな兄弟たちを殺します。住民たちもそれを支持し、アビメレクを王にすることが利益になると考えたようです。人はいつも自分の名声や損得だけで動きがちです。
(1-6)
1,さて、エルバアルの子アビメレクは、シェケムにいる母の身内の者たちのところに行き、彼らと母の一族の氏族全員に告げて言った。
2,「どうかシェケムのすべての住民の耳に告げてください。『あなたがたにとって、エルバアルの息子七十人全員であなたがたを治めるのと、ただ一人があなたがたを治めるのとでは、どちらがよいか。私があなたがたの骨肉であることを思い起こすがよい』と。」
3,アビメレクの母の身内の者たちが、彼の代わりに、これらのことをみな、シェケムのすべての住民の耳に告げたとき、彼らの心はアビメレクに傾いた。彼らが「彼は私たちの身内の者だ」と思ったからである。
4,彼らは、バアル・ベリテの神殿から銀七十シェケルを取り出して彼に与えた。アビメレクはそれで、粗暴なならず者たちを雇った。彼らはアビメレクに従った。
5,アビメレクはオフラにある彼の父の家に行って、自分の兄弟であるエルバアルの息子たち七十人を一つの石の上で殺した。しかし、エルバアルの末の子ヨタムは隠れていたので生き残った。
6,シェケムのすべての住民とベテ・ミロのすべての人々は集まり、行って、シェケムにある石柱のそばの樫の木の傍らで、アビメレクを王とした。
人の上に立って権力をふるうよりも、与えられている小さな立場や役割を感謝することが正解です。もっと上に行くべきだ、と欲しがる必要はありません。「小さい事に忠実な人は、大きい事にも忠実であり、小さい事に不忠実な人は、大きい事にも不忠実です。」(ルカ16.10)神様がちょうど良く立場や役目を与えておられるし、これからもちょうど良くしてくださいます。息子たちの中で、たった一人生き残ったギデオンの息子ヨタムはそれを木にたとえて人々にいいました。
(7-13)
7,このことがヨタムに告げられたとき、彼は行って、ゲリジム山の頂上に立ち、声を張り上げ、彼らに叫んだ。「私に聞け、シェケムの人々よ。そうすれば神はあなたがたに耳を傾けてくださる。
8,木々が出かけて行って、自分たちの上に王を立てて油を注ごうとした。木々はオリーブの木に言った。『私たちの王となってください。』
9,すると、オリーブの木は彼らに言った。『私は、神と人をあがめるために使われる私の油を捨て置いて、木々の上にそよぐために行かなければならないのだろうか。』
10,木々はいちじくの木に言った。『あなたが来て、私たちの王となってください。』
11,しかし、いちじくの木は彼らに言った。『私は、私の甘みと良い実を捨て置いて、木々の上にそよぐために行かなければならないのだろうか。』
12,木々はぶどうの木に言った。『あなたが来て、私たちの王となってください。』
13,しかし、ぶどうの木は彼らに言った。『私は、神と人を喜ばせる私の新しいぶどう酒を捨て置いて、木々の上にそよぐために行かなければならないのだろうか。』
オリーブの木も、いちじくの木もぶどうの木も自分に与えられた役目を喜び感謝して奉仕しています。それで充分です。人を支配しようとか、自分の権力を誇示しようとは思いません。ところが、アビメレクは人を自分の権力で押さえ込み、従わないなら炎で焼き殺す、と脅す茨のようです。
(14-15)
14,そこで、すべての木が茨に言った。『あなたが来て、私たちの王となってください。』
15,茨は木々に言った。『もしあなたがたが誠意をもって私に油を注ぎ、あなたがたの王とするなら、来て、私の陰に身を避けよ。もしそうでなければ、茨から火が出て、レバノンの杉の木を焼き尽くすだろう。』
この茨のように、実際にアビメレクは住民と対立することになります。ヨタムは預言して言いました。「アビメレクから火が出て、シェケムの住民とベテ・ミロを焼き尽くし、シェケムの住民とベテ・ミロからも火が出て、アビメレクを焼き尽くすだろう。」(20)これは現実のものとなりました。
イエス様は言われます。
「あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、みなに仕える者になりなさい。あなたがたの間で人の先に立ちたいと思う者は、あなたがたのしもべになりなさい。」(マタイ20.26-27)
僕らが今与えられている役目に感謝して誠実に仕えることができますように。人を支配するのでなく、仕えることができますように。僕らでなく、イエス様の御霊がそうさせてくださいます。ハレルヤ。
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